ハギビスの脅威

台風19号ハギビスが去っていった。

 

我が家ではTVをほとんど見ないのでよく知らないのだけど、それでも耳や目に入ってくるほど、「この台風は凄まじい」と事前から散々ニュースでも報道されていたので、我が家でも未だ嘗てないほど備えたー実際には水は常備してあるので少量の食料を買って、風呂に水を溜め、ご飯を多めに炊き、ポストや庭にあるものを固定、自転車を横に寝かせて、物干しをあらかじめ倒し、雨戸を全て閉めた程度ー結果、たいした被害はなくやり過ごすことができた。

 

20代の頃、杉並区にある善福寺川沿いのアパートの2Fに住んでいた。そのアパートは少し変わった作りで、2F住人の玄関は1Fにあった。玄関を開けるとすぐに階段があり2Fへと上がる作りだった。その日、僕は朝から仕事に出かけていたのだが、家には一緒に住んでいる恋人がいた。特に予報などを気にしたりはしていなかったので、事前にこれから起こることはあまり予想されてなかったように思う。普段通り仕事をしていると夕立が降ってきた。職場は高台にあり、さほど影響がなかったのだが、パニック状態の恋人から職場へ泣きながら電話があった。電話に出た僕はとりあえず冷静になるようなだめたのをなんとなく覚えている。川が溢れるといっても我が家は2Fだったし、そこまで大変ではないだろうと思っていた。が、実際には大変なことになっていた。善福寺川が激しく増水し、辺りの雨水マンホールは噴水と化していた。とはいえ2Fまでは水が来ず、自分達の生活には支障がなかったのだが、1Fの住人はとても大変だった。完全に床上まで浸水していたし、小さい子供もいたようだった。

 

今回の台風はそんな自分の記憶が改めて思い起こされるほど強烈な台風だった。辺りの被害状況を調べてみたところ、どうやら麓ー我が家は丘陵の高台にあるーにある川の堤防が決壊してしまい、氾濫してしまっていたようだった。普段よく使っているショッピングモール周辺は一時的に湖となり、しばらくは営業できないようだ。あいにく今は家のことで精一杯なので何もすることはできないが、まだ小さい赤ん坊を連れて行っても何も不自由がないほどサービスが充実している場所なので、営業再開が待ち遠しい。

 

台風が去って外に出てみると金木犀の香りがした。

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今年は花が咲くのが遅くて、ひょっとしたら咲かないのかしら?と思ったりなどしていたのだけど、台風が行き過ぎるのを待っていたのかもしれない。