トロッコ公園

ー隆君は技術の進歩に追われてすがたを消していく山林や鉱山のトロッコの記録をつくるため全国を鉄道でまわっていました。ところがそのむかしカムパネルラたちのことを本にした宮沢賢治のふるさとで製材所のトロッコの写真をとろうとして列車からおちてしまったのです。ー

 

鳩山町を散歩しているとこのような看板のあるトロッコ公園という公園があり、トロッコが展示されています。長年放置に近い状態なのか古びてしまってはいますが、このトロッコはぼろぼろになった台車を引いて今にも走り出しそうです。

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この公園ですが、看板にある文章以外特に細かい説明のようなものはありません。銀河鉄道の夜主人公カムパネルラから始まるこの文章を最初に読んだ時、いったいこの話はフィクションなのかそれとも現実の話なのかよくわかりませんでした。

 

このトロッコ公園にある銀河ステーションからトレッキングコースともいうような山の中の散策路が続いており、看板にも書いてあるように白鳥の停車場、鷲の停車場を経て、天の川ステーションへと行き着くことができます。

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全部歩くと1kmくらいはあるでしょうか?7、8kgほどある息子を抱えながら歩くにはちょうどいいコースだったので、時々散策していました。すると向かい側から散歩中の町の人が歩いてきて時々すれ違うので軽く挨拶などもしたりして、ちょっとしたコミュニケーションが生まれたりします。

 

何度かこの散策路を訪れるたびに気になってはいたものの調べずにいたのですが、心の引っ掛かりを解消するためにようやく少しだけ調べることができたので少しまとめておこうと思いました。

 

詳しくはこちら(https://note.com/savensatow/n/n6840fc05f589)の記事を読んでいただきたいのですが、馬場隆くんは実在の方で、冒頭に書いた部分で触れられているように、1983年に列車から落ちて亡くなってしまったようです。

 

そしてその足跡をご両親が辿られ、1986年にお母様は『トロッコが好きだった少年』という書籍にまとめられているそうです。また、そうした中で贈られたトロッコをこの公園で展示しているようです。オープニングイベントといったものもあったらしいです。→http://paganrail.sakura.ne.jp/essays/Hatoyama.html

 

そんな背景を知ってから散策路を歩くと、また今までと違った感情が湧いてくるというものです。

 

最初はわかりにくいのでもうちょっと細かい説明をしてくれよと思ったりもしましたが、少し調べてみると、あまり具体的にその背景について公園に掲示したりしないのもまた良いものなのかもしれないなあと考えを改めました。